↓のメールに私は待つタイプだと書いた。私は、多分、待つタイプだと思うし、実際待たされ、待ってきたと思う。
だいぶ前のことだけど、私は働いている人と付き合っていた。その人はとても忙しくて、連絡も取れなくて、しかも、私と彼は新幹線で2時間ばかし距離が離れていた。俗にいう遠距離恋愛だったと思う。
彼の仕事は朝3時に終って、6時に始まるという仕事だった。某有名企業ではあったが、技術職のためか忙殺されており、会うことも連絡をとることも侭ならなかった。
だけど、時々、不意に電話がかかって来る。たいてい日曜日。
「今日はさ、3時ぐらいにはあがれるかもしれないんだけど、こっちに来れないかな?
会いたいんだけど・・・」
・・・いいよ、じゃあ、今からいく・・・。
そう言って急いで私は用意して、新幹線に飛び乗り彼の職場近くのドトールに着く。2時30分。時間に遅れることはキライだ。
とりあえず、3時半までは何もせずに待ってみる。3時半に一回電話をかけた。・・・電話には出ない。そこで、4時まで待ってみる。また電話をする。
「・・・ああ、ゴメン、もうちょっとかかりそうなんだ・・・」
・・・だと思った。じゃあ、もう少し待つよ。
「ゴメンネ」
で、結局私は8時半まで待つ。計6時間。私はその間、3回ドトールを出たり入ったりし、数学の問題を3頁解き、1冊の小説を読み終える。コーヒーは3杯ぐらい飲む。
6時間後に会う彼は、いつも疲れている。でも、私を見ると必ずニッコリ笑って、嬉しそうに「行こうか?」と言うのだった。その後、2人でご飯を食べ、会社近くのビジネスホテルに泊まる。彼は疲れて、私の話も聞かず、私の身体にも触れずに深い眠りに落ちる。私は黙って彼の隣で眠る。そして、始発の新幹線で学校へと向かう。彼は会社へと向かう。当時はこんな日々の繰り返しだった。
それを2年間続けた。私が待てたのは、2年だけだった。それが私の限界だった。それから私は、取り立て理由もなく、一方的に彼との接触、彼からの連絡を拒み、彼をひどく傷つけてしまった。後にも先にも、一方的に相手を遮断し、傷つけた経験はこの一回だけだ。私はその悔悟の念があるから、マザコン男とも気長に付き合えたのだろうと思う。
でも、私は時間を守ることを変えなかったし、自分が時間を守る以上、待つことが増えるのは当然の状況だった。そして私は、テレサ・テンの歌で言えば、「待つ身の女」だと思っている。待たされるということに馴れてしまった。染み付いてしまったような気がしたし、テレサ・テンを熱唱できる若い子として、バイト先のオジ様方に可愛がられた(笑)。
だけど、昨日、思った。私は本当はすごく待たされることが嫌いなんだって。本当は待ちたくなんかないんだって、初めてそう思った。待たされたっていいと思っているのは、嘘なんだって思った。初めて。本当に初めて。黙って待つことがいいことじゃない。いいこともあるけど、待たないことも、待てないと言うことも大事なんだと思った。
そして、テレサ・テンはもう歌わないと心に決めた・・・(笑)