今日は土曜日。彼は実家に帰っていることだろう。そして私は、昼過ぎに学校にきた。彼からのメールの返事はないだろうと思ったが、一応チェックしてみることにする。・・・新着メール1件の文字。・・・土曜日なのに、メール書いたんだ・・・。しかも、あのメールの内容で、メール書いたんだ・・・と思った。見る前から何となく嫌な予感。おもむろに新着メールをクリック・・・
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□□□さんへ
おはようございます。□□□さんはお仕事ですか?
私は今日は実家に戻りました。
貴女からのメールは不思議ですが、
誰なのか、わからないので、うれしいのと、不安とが入り混じっています。
なぜ名乗る事にこだわるかについては、ネット上でのトラブルに
巻き込まれて、トラウマになっているからです。
□□□さんは透明な存在なんていうので、どう返事したらいいか、悩んでます。
気にならないなら、どう返事してもいいのでしょうが、
私は□□□さんと一緒に生きていけたらとても幸せな気がしてなりません。
もちろん、話してみて、会ってみて、付き合ってみないと
わかりませんが、私的な勝手な直感では、
私は□□□さんと一生一緒になれたらな・・・と思ってます。
だから、誰なのか知りたいです。
でも名乗ると□□□さんに迷惑なんですか?
私のファンだったら、希望も聞いて欲しいです。
だって私の一生を変えるかもしれない人だと強く感じているのですから。
一度は会っているのでしょうし、私の名刺を持っているのでしょう。
でも私は貴女の名前も職業もわからない。
このメールをまじめに打っている気持ちは、必ず貴女に会いたいという
その一心で打ってます。それができないのなら、つらすぎます。
いま、一生のパートナーを得たい私にとって、貴女は女神様のようなものです。
会いたいです。でも貴女が迷惑なら、仕方がないですが、
正面からお付き合いしたいです。
御検討くださいませんか?
かなり落ち込んでいた私に、生きる希望を与えてくれたことは
感謝してます。ありがとうございます。
でも、一生このまま会わないつもりなら、その理由を教えてください。
とても悲しいですけど、貴女の迷惑な存在にはなりたくないです。
本当に好きになれそうです。
私の希望、聞き入れていただけませんか?
よろしくです。
良い御返事を待ってます。
二人とも幸せになるための、ハードルです。
一緒に超えましょう。
×××× より
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感覚が麻痺するというが、まさにこの心境だなと初めに思った。この間のメールでもショックだったが、あれは単なる序章に過ぎなかったのだと実感する。私は・・・・一体何をやっているのだろう。傷口に塩を塗るためにこのメールを続けているのだろうか・・・と自分でも全くわからなくなる。
私は彼の言葉を愛していた。でも、彼の言葉は私のためだけに紡がれ、私のためだけに選ばれているものだと思っていた。でも実際はそうではなかった。その事にまず呆然としてしまう。特に最後の「ハードルを一緒に乗り越えましょう・・・」。これ、何度も言われた。何度も言ってくれた。だから、頑張ろうって忙しくても、辛くとも彼がそう言ってくれるから頑張ろうと思ったのに、実際に会ってもいない、名前も知らない人に言うくらいの単なる常套句の一つだったのだと思うと、悲しくて涙が出そうだった。
一生付き合いたい?
・・・何も知らない単なるメールの相手に、どうしてそんなことが言えるのよ。誰だって良かったんだ。本当に彼は誰だって良かったんだ。早く結婚したくてたまらないんだ。34にもなって結婚していないということが、プライド高い彼にとってはイヤでイヤでたまらないのだと思った。
いろんな感情が入り混じっていて、そして自分でもその感情をどう整理したらいいのか私は全くわからなかった。ただ、この事実から目をそらさないこと。きちんと受け止めること、逃げないこと・・・と私は何度も何度も自分に言い聞かせた。これは知らないといけないことなのだと。知らないと、私も前に進めないのだと思った。学校で、涙を堪えながら、私はその日の昼に彼にメールを送ることにする。逃げちゃいけない。もう・・・その時期は迫ってきているのだからと思いながら・・・(つづく)。
補足:彼のネット上のトラブルとは前の彼女(看護師)が、彼とのメールのやり取りを別れた後に病院の掲示板に張ったそうです。もちろん、「犯人は誰かわからない」と彼は言っておりましたが、彼女以外にありえないでしょう。きっと、内容はこんな内容だったのだろうな~って今なら分かります。どうして、同じ愛の?言葉を違う相手に使えるのか、私には理解不能です。
そして、最後の×××は彼の大好きなキャラクター名ですからね。。。自分をキャラクターに例える34歳、Dr.マザコン男ってどんなんでしょ??