その日の夜、私は二通目のメールを書いた。送る時間はこの間と同じのだいたい夜9時過ぎにした。ある程度メールを送る時間を一定にしたほうが何となく良いような気がしたからだ。いつでもメールを確認していると思われると、彼はメールをせがむようになるだろう。彼は我慢が出来ない人だった。だから、1日一回ぐらいしかメールを読む習慣がないということを彼が察すれば、そのような事もないと踏んだ。
私は全て、素直にメールすることにした。書くことはできるかぎり本当のことを書こうと思った。こんな形になってしまったけど、それでもなお、私は彼と素直に向き合いたいと望んでいた。cokoとして伝えられなかったことを、ここで伝えたいと思った。伝えつづけたい、つながりつづけたいと思った。そして、彼を少しでも支えられたらいいと思っていた。彼に宛てたメールは以下の通りだ。
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〇〇△△先生
はじめに、返信を戴きましたことに対し御礼を申し上げます。
ありがとうございました。
そして、先生を混乱させてしまったようで、大変申し訳ございませんm(_ _)m
でも、先生は私の名前を聞いても、その名前から何一つイメージすることなど、
できないと思います。
それでも、名前は必要でしょうか?
私が先生について知っていることも、とても僅かなことでしかありません。
でも、やっぱりフェアではないですので、少しだけ話しますと、私は20代の女性です。
世間一般では高学歴で専門(家)という部類に入ると思います。
といっても、まだその世界ではタマゴなわけで、なかなか難しい部分もあります
ちなみに、先生とは少し畑が違っています。
社会では肩書きがものを言いますが、それでも女性としてはまだまだ大変です。
せめてプライベートくらいは、ただの人としてありたいと常々思っておりますが、お節介な友達の紹介で突然勝手に送られてくる男性からのメールにはガッカリさせられます
(だって、はじめに氏名/年齢/生年月日/出身/出身大学/現在の職業/趣味が
ずらりと書いてあるのですよ!そんな外側の情報で好きになんてなれないですよね?)。
もちろん、先生の方がよりそういった思いは強いのかもしれませんが・・・。
・・・ということもあり、先生とはただの女性として接してみたかったのです。
そんな勝手な失礼をお許しください。
陰ながらではありますが、先生のご活躍とただの(と言っては失礼かと思いますが)
〇〇△△さんとしてのご健康をお祈りしております。
〇〇△△さんの1ファンとして、これからも居させていただけましたら、
大変嬉しく思います。
ただ、私の名前がないのはやはり何かと不便ですね・・・。
何でも良いのですが・・・白い犬が好きなので
必要な時は「□□□」とでも呼んで下さい
こんなメールを返信して大変申し訳ありません。
先生のやさしさに結果的に甘えてしまっておりますね
ごめんなさいm(_ _)m
それでは、寒くなって参りましたので、
お体にはくれぐれもお気をつけ下さいネ
試験勉強など頑張ってください♪
□□□
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さて・・・どんな返信が返って来るのでしょうか・・・(つづく)。