海の日の昼下がり。我が家では昼食の時間を迎えていた。今日のメニューはざるそばとゲソ天・・・。そばをすすりながら、父がおもむろに口を開く。「彼の親には言ったのか~」。うん、昨日の夜言ったみたい。「で、なんて言ってるんだ」。どうも反対しているらしいんだよね・・・。「なんで?」・・・なんでって、う~ん・・・ほら、一人息子だし、母親的にはいろいろ思うところがあるんじゃないの。「まぁ、そりゃそうだ。でも、それだけか?だって、もう34なんだろ。親の言いなりになる年でもないだろうが・・・」・・・あとは、うちとは話が合わないんじゃないかっても言ってるらしい。「・・・、そんなさ、両家でベタベタ仲良くなんてするつもりはお互いにないんだし、だいたいそういうもんだろ?そりゃあ、向こうの専門の話されてもわかんないし、こっちの専門の話だって向こうがわかる分けない。お互いに合う話を見つけて話すってもんだろ!普通はさ・・・そんな自分のことばっかり言ってたら、誰だって合わないし、そんな人がよければ、彼だってお前を選ばなきゃ良いじゃないか・・・なぁ・・・」っと、ややご立腹の父。父の言い分は尤もだ。「お見合いとかはしないのか、彼は?」・・・なんか、イヤなんだって。母親の言いなりになるのが。お見合いの相手と結婚したらさ、そのお嫁さんは「お母さん、お母さん」ばっかりになって、自分のことを構ってくれなくなるから、それが嫌なんだってさ。「まぁ、そうなるかもなぁ~」。だから、自分で見つけたいんだって。「ふーん」・・・とここで母。「でも、育ちって言うのは一生ついてまわるもんだからねぇ~」・・・と、微妙な空気が流れる食卓。私は努めて冷静と言うか、こんな時には誰よりも妙に冷静になってしまう所がある。
「うちも、1回見てもらおうかしらね~お父さん」・・・そうだな、こんなんじゃ、見てもらった方が良いかもな・・・と父。これは、占い?を指す。家の建て前や結婚式の日取りなどをお伺いに行く人が近くにいるのだ。占いというか、サワリがないようにお祓いとかしてもらう人で、家をいじるときに良くお世話になっている。・・・きちゃったな・・・。これが嫌だったのに・・・と思う私。先手を打つ。「何言われても、意志は変えないつもりだよ。そんなので変えるなんておかしいからね。」・・・それはお前の自由だ。ただ、聞いて見るに越したことはないということだ。そんな母親の所に嫁いで、苦労してほしくない。親は娘の幸せだけを願っているんだからな。・・・そんな言葉が身にしみる・・・。
「あんた、それでこれからどうするの?」と母。・・もう帰るわ。やることあるし、居ても仕方ないし・・・「そう、好きにしなさい。うちは構わないから」・・・そういって、食卓は終了した。
その後、またしても変化が起こる・・・(つづく)。